そのとおりです。
梨花さんの給与明細には、厚生年金保険料だけが引かれているように
記載されていると思いますが、実際には先ほどの説明のように国民年金
にも加入していることになるのです。
梨花さんが、将来年金をもらえる年齢になると、国民年金から老齢基礎
年金、厚生年金から働いた月数と給料に応じた老齢厚生年金を受け取
ることができます。
<梨花さんの疑問〜その4〜>
じゃあ、お母さんのもらう年金はどうなのですか?
お母様は、お父様の働いていた期間に相当する月数分の老齢基礎年金
を受け取ることができます。
お母様が60歳を迎える前に、お父様が会社を退職なさった場合、お母様
は国民年金の制度上では
第3号被保険者→第1号被保険者
となり、国民年金の保険料支払い義務が生じますのでご注意ください。
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★年金ケーススタディ(離婚分割講−2)
〜2008年4月にスタートする離婚分割〜
つまり、2007年4月からの離婚分割は、お互いの年金を比較して高い方から
低いほうに流れるのだとお話しましたね。
2008年4月からスタートする離婚分割は、2008年4月以降の第3号被保
険者期間に限られます。
前回の例で比較しますと
春樹さんとみどりさんは結婚20年。2人とも大卒入社で、春樹さんはみどり
さんの5年先輩。春樹さん30歳、みどりさん25歳の時に結婚しました。
みどりさんは、結婚後もそのまま勤務、5年後の30歳の時退職しました。
そして、2008年12月離婚することに...。
2008年3月分までの分割
結婚期間中の、春樹さんの会社員時代とみどりさんの会社員時代5年間の
厚生年金納付期間を合算し、その2分の1をそれぞれ分割することで同意し、
裁判所に公正証書の提出をしました。
みどりさんが自分の年金受給開始年齢になると、自分の年金に併せて分割
合意した部分の年金がみどりさんに支給され、春樹さんが亡くなっても分割合
意した分の年金は支給されます。
2008年4月分からの分割
分割される年金は2008年4月以降の分に限られます。
また分割は、第2号被保険者から第3号被保険者にのみ行われます。
この場合、春樹さんからみどりさんにのみ年金が分割されます。
分割割合については2分の1と決まっていて話し合いは必要ありません。
つまり
みどりさんの立場から見ると、春樹さんとみどりさんの結婚生活の内、
2008年3月までの分については分割合意した年金を、2008年4月
以降の分については合意がなくとも春樹さんの年金の2分の1を、みどり
さんの受給開始年齢以降受け取ることができるということになります。
勿論、2008年4月以降も夫、妻ともに働いていてそれぞれ第2号被
保険者同士であれば、2007年型の離婚分割が適用されるということに
なります。
従って、2008年4月以降の離婚分割は、第3号被保険者のための
特例が加わったと解釈すると理解しやすいのではないかと思います。
2008年4月以降の離婚分割についても以下の留意点があります。
1)基礎年金の部分については分割はありません。
2)分割を受ける側が、原則25年の受給資格期間をクリアしている
ことが必要です。
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★年金トピックス〜年金基礎知識ーその2〜
知ってて損はない年金の基礎知識を少しずつお話してゆきます。
今回は、上記第3号被保険者の方への注意事項です。
<手続きは自分で>
上記でも、夫が会社を辞めた場合、妻が60歳前であれば国民年金の保険
料を払う義務があるとお書きしました。
会社に入る時、妻の第3号被保険者の届出等は会社が全てしてくれます。
しかし夫が会社を辞めたとき、夫の手続きは勿論、妻の第3号から1号への
変更手続きを会社はしてくれません。
この手続きは、ご自分で市町村の国民年金窓口に行かなくてはなりませんの
でご注意ください。
<夫が会社を辞めなくても手続きが必要な場合>
夫が65歳を超えて会社で働いていて、既に老齢基礎年金の受給権を持って
いて、妻が60歳以下の場合、妻は60歳になるまでご自分で国民年金の保
険料を支払はなくてはなりません。
この場合も、会社は手続きをしてくれませんから、ご自分で市町村の国民年
金の窓口に行く必要があります。
不親切で不思議な話ですが、要注意です。
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〜〜〜〜〜〜編集後記〜〜〜〜〜〜〜〜
離婚分割ご理解いただけましたか?
西尾雅枝社会保険労務士事務所では新しい
試みとして年金説明会の開催を考えております。
来月には告知させていただけると存じます。
是非、ご参加ください!
それでは、1日にまたお目にかかりましょう!
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