支給されます。
これに対し、健康保険は仕事とは関係のない怪我や病気に対応するものです。
健康保険法には、健康保険の適用目的として次のように記載されています。
「この法律は労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡..」
つまり、健康保険は仕事上の怪我や病気には適用しませんよと明記されている
のです。
しかし、突発的な事故や怪我で緊急に病院に搬送された場合、この二つの
保険はどのように関連してくるのでしょうか?
仕事外の怪我・病気であることが明らかな場合は、健康保険が適用され70歳
未満であれば通常3割の自己負担を病院窓口で支払うことになります。
次に仕事上の怪我・病気の場合、搬送先が労災指定病院であれば、
「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」を、お勤め先管轄の労働基準監督
署の労災課で受取り、病院の窓口に提出すれば、自己負担は不要です。
搬送先が労災指定病院ではなかった場合、一旦費用を全額自己負担し、
その領収書を「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」に添付して管轄の
労働基準監督署労災課に提出します。そこで、労災認定されれば、負担した
費用は戻ってきます。
●二つ目の違いは給付の種類
健康保険には、出産について給付がありますが、当然のことですが、労災にはあ
りません。
そして健康保険には年金制度はありませんが、労災には仕事上で重い障害を
負った場合や家族を残してお亡くなりになった場合に備えるために、障害や傷病
そして遺族の年金があります。
●三つ目の違いは保険の対象者
健康保険の対象者ー被保険者は、適用される法人で働く人全員
(原則社長さんも含め)です。
これに対し、労災の対象者は、原則的には労働者に限定されています。
但し、先頭に立って働かなくてはならない立場の中小事業主等のために特別
加入制度があります。
●四つ目の違いは保険料の払い方
皆様の給与からも、健康保険料が天引きされていますよね?
しかし、労災保険は全額事業主負担で、個人単位ではなく事業所単位で
納付します。
そして、労災の場合、人を1人でも雇用した場合、加入義務が生じます。
でも、雇われている人一人ひとりについての新規雇用や退職等について届出の
必要はありません。
労災は、事業主が雇用している労働者の労働災害に備えるために加入し
保険料を支払うものですので、「被保険者」という概念はないのです。
そこが、健康保険は勿論、雇用保険、厚生年金保険とも違う点です。