●では、どんな時効があるの?
・まずは、労働基準法上の時効
*年金や保険ではありませんが皆様の生活に密着しているものですので
列挙しておきますね。
賃金・災害補償・その他の請求権 2年間で消滅
(その他には、休業手当、年次有給休暇の賃金、帰郷旅費等が含まれる)
退職手当の請求権 5年間で消滅
【例外】
ただし、解雇予告手当は、事業主側の解雇の意思表示に際して
支払われなければ、そもそも解雇の効力が発生せず、
時効はない、という見解があります。
・労働者災害補償保険法(労災)上の時効
療養・休業・介護・葬祭料等・各種前払金・二次健診の権利 2年で消滅
障害の年金や一時金・遺族年金や一時金等を受ける権利
5年で消滅
【例外】
ただし、傷病年金・傷病補償年金は、政府の職権で支給決定がなされる
ため、時効の問題はない。
・雇用保険法
失業等給付を受ける権利 2年で消滅
ただし、これは権利の消滅時効であって、雇用保険法の各種給付には
支給申請期間と、いうものがあります。
権利の消滅時効は2年でも、例えば求職者給付の基本手当で説明しますと
90日の所定給付日数の場合としますと、離職の日の翌日から1年間以内に
公共職業安定所に出頭、求職の申し込み、受給資格決定、そして肝心の
所定給付日数90日間が、原則としてこの1年間に納まっていないと
いけません。
他にも給付の種類によって、支給申請の期間が違う場合がありますので
要注意!です。
・健康保険法
保険料の徴収・還付・保険給付を受ける権利 2年で消滅
・国民年金法
年金を受ける権利 5年で消滅
保険料の徴収・還付及び死亡一時金を受ける権利 2年で消滅
・厚生年金法
保険給付(一時金も含めて)を受ける権利 5年で消滅
保険料の徴収・還付を受ける権利 2年で消滅
●西尾の解説
つまりは、公的な年金や保険から給付を受ける権利は
年金は5年、一時金やその他給付は2年(厚生年金は除く)
と、云うことになります。
では、その時効ですが、いつからスタート(起算日といいますが)
するのでしょうか?
大体は、保険事故(その保険給付の原因となった事柄)の翌日から
起算して、というケースが多いのですが
労災や健康保険では、特殊なケースもあります。
次回は、この起算日を中心にお話しますね。