★トピックス〜労働契約法が制定されます〜
これは、公的保険に関することではありませんが、働く人すべてに係ること
ですので、トピックスとして取り上げますね。
近年、労働形態の多様化に伴い、事業主VS労働組合という枠組みでは
解決しきれない事業主と労働者間のトラブル(所謂個別労働紛争)が多発
しています。
このような事業主と労働者の個々のトラブルを、法律に則り、書面でしっかり
労働契約を締結することで未然に防ごうよというのが「労働契約法」です。
2007年11月28日参院で可決成立、12月5日公布、2008年3月4日
に施行となる予定です。
この労働契約法の骨子は、
1.この法律では、労働者を使用者に「使用されて労働し、賃金を
支払われる者」と定義しています。
個人事業主も労働者の範囲に含めるか否かの論議がなされて
きましたが、今回はこの法律には盛り込まれませんでした。
2.労働契約の成立と変更
3.労働者との合意なき就業規則の不利益変更の禁止
4.労働契約の継続と終了
出向命令の妥当性についても触れています。
5.期間の定めのある労働契約について
*契約期間中の解雇は無効です。
上記法律の骨子でわかることは、今までの図式どおり
法令、労働協約>就業規則>労働契約
つまり、労働契約は就業規則の定める基準以下であってはならず
就業規則は、法令または労働協約に抵触してはならないということです。
これだけでは、「なんで?」労働基準法だけでよかったのではないの?
とお思いかもしれませんが
・個々の労働者と使用者との「労働契約」の重要性
・就業規則の重要性
を前面に押し出したことには大きな意義があると言えます。
この労働契約法の制定により、使用者側、労働者側に以下のような対応
が求められています。
<使用者側>
・交渉相手が組合から個人へと代わり、個々への対応が迫られます。
・契約がすべてとなり、就業規則の充実、各種契約書の整備が必須と
なります。
・採用、解雇についての恣意的な取り扱いは今まで以上に問題化すると
思われます。
<労働者側>
・労働契約は、契約書を熟読したうえで。
・使用者側との交渉は、自分が個人事業主になったつもりで。
(タフ・ネゴシエーターになりましょう)
・労働基準法、労働契約法等自分を守る法律に強くなりましょう
・就業規則は隅から隅まで読みましょう