★トピックス〜パートタイム労働法改正ダイジェスト〜
平成20年4月にパートタイム労働法、正確には「短時間労働者の雇用管理の
改善等に関する法律」が一部改正されます。
これは、パート、アルバイトと呼称されていても、実質的には正社員と遜色なく
働いているパートタイム(短時間)労働者の方々の待遇を、
なんとか正社員に近づけたい、という意図の改正です。
しかし、実態はまだ見えてきておらず、大企業で働く短時間労働者さんに多少
恩恵があるかな?と期待する程度なのですが、簡単にご説明しておきます。
・今回の改正の目的
パートタイム(短時間)労働者の公正な待遇の実現と就業環境の整備
・具体的な改正点
以下の点において、
1.通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者については
賃金、教育訓練、福利厚生等の待遇における通常の労働者との
差別の禁止
2.1.以外のパートタイム労働者については、賃金、教育訓練、福利厚生
について均衡のとれた待遇の確保に関する配慮義務等
3.雇い入れ時の労働条件に係る書面明示義務・努力義務
4.正社員への転換を推進する制度の実施義務
5.待遇の決定に当たり考慮した事項に係る説明義務
6.パートタイム労働者と事業主の紛争解決制度の創設
7.過料制度の創設
等があります。
●問題点
この改正の問題点は、いくつかあります。
この改正では、パートタイム労働者を
・通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者
・2要件充足パートタイム労働者
・一般パートタイム労働者
と区分しています。
この区分が、実際のパートタイム労働者に十分納得がいくように
説明でき、また運用していけるのか?という点です。
また、このパートタイム労働法では、アルバイト、パート、契約社員、嘱託社員、
どんな呼称でも通常の労働者より、1分でも1週間の所定労働時間が短か
ければ、短時間(パートタイム)労働者と規定しています。
つまり、どんな呼称でも、通常の労働者と同じかそれ以上の所定労働時間
であれば、パートタイム労働者ではない、ということです。
これに当てはまるのが、契約社員(有期労働契約対象労働者)で、この方々
は、厳密に言えばこのパートタイム労働法によって守られてはいません。
そこで、このような方々に関しては、パートタイム労働者に対すると同様に
留意するよう求められています。
しかし、この有期労働契約者に関する法律が明文化される必要があるのでは
ないかと思います。
また、通常の労働者、という規定にも問題があります。
雇用が多様化している現在、労働者が派遣社員、契約社員等のみで
通常の労働者の待遇そのものが、パートタイム労働者となんら変わりが
ない場合等、待遇改善には全く結びつきません。
以上、もう少し様子を見なければ、納得しかねるパートタイム労働法改正
のダイジェストでした。