前回、会社員が病気になった場合の収入についてお話しましたが、今回は
出て行くお金に的を絞ってみました。
1.入院でかかる医療費は?
入院の場合の出費は、病気の重篤度、入院した病院等により、入院時の負担
額に差が出ます。
しかし、生命保険会社のアンケートによると、特殊な治療を必要としない疾病の
場合は、一ヶ月あたり約15万円の出費と考えるのが妥当だそうです。
2.でも医療費は高額ならと払い戻しがあるのでは?
健保にも国民健保にも「高額療養費」の制度があります。
この制度は、一ヵ月ごとの医療費が高額となった場合、一定額(自己負担額)を
超えた場合、払い戻されるというものですが、平成18年10月からこの自己負担
額の上限が引上げられました。
つまりこれまでより自己負担額が大きくなったという訳です。
以下に例を挙げますね。
一般の方(年齢70歳未満、月収53万円未満)の場合
医療費が100万円、一部負担金が30万円だとします。
80,100円+(100万円ー26万7千円)×0.01=8万7千430円
30万円ー8万7千430円=212,570円が申請により払い戻されることに
なります。
しかし、この高額療養費、申請から払い戻しまでに時間がかかります。
入院費を考える時に、この期間も考慮して現金の準備が必要です。
3.医療費以外に考えなくてはならない出費
・食費
入院中、病院で食事の支給も受けますよね。一般の方の場合、一食あたり
260円の自己負担額が必要になります。
1日3食、30日の入院とすると、23,400円が必要です。
この部分は高額療養費には含まれないのです。
・個室や差額ベッド代
個室を希望した場合等は、自己負担になりますし、これも高額療養費に
含めることは出来ません。
・諸雑費
病院への支払いのほか、病室へのTV、冷蔵庫のリース、家族の見舞い・
付き添い等で病院と自宅を往復するための交通費、寝巻き等の衣料費、
場合によっては付き添いの専門家やベビーシッター等を依頼するための費用も
必要です。
以上のような出費が考えられます。
西尾からの第2回目のアドバイスその1
ご自身の家庭環境、健康状態を考慮してリスクヘッジとしての民間医療保険を
お考えになるのはとてもいいことです。
しかし、健保、民間医療保険、に加えていざという時のためにすぐ引き出せる
預貯金これが不可欠と西尾は考えます。
特に傷病手当金の制度がない国民健康保険に加入なさっている自営業の方
の場合、いざという時のための補填を真剣にお考えください。
それと忘れてならないことがもうひとつ、会社員の方の場合、病気中で会社から
給与が支払われておらず、傷病手当金のみの場合でも、厚生年金および健康
保険料は徴収されます。会社が一時立て替えてくれる場合もありますが、この点
も覚えておいてくださいね。
西尾からの第2回目のアドバイスその2
入院等で医療費を支払った時は、忘れずに確定申告をしてください。
申告により、医療費控除を受けることが出来ます。
病院からの領収書は、申告時まで大切に保管してくださいね。
・控除対象とならないもの
寝巻き等身の回り品の購入、個室、差額ベッド代、医師等への謝礼
・控除対象となるもの
医療費等に加え、付き添い等の専門家を依頼した場合の費用
前回も記しましたが、健康保険法改正の詳細は、
を参考になさってください。