★保険&年金基礎知識〜会社を辞めよう、と思ったら〜
とはいえ、置かれている立場、家庭を持っているか否か、持ち家かどうか、
家のローンの有無等で大きく違ってきますよね。
ここでは、27歳独身、年収約400万円、家賃7万円、貯金150万円
親の援助等はなし!のB子さんが、会社を辞めようと思ったとします。
本当は、次の仕事が見つかってから辞めるに越したことはないのですが
仕事での人間関係に疲れ、とりあえず会社を辞めたい場合を想定しました。
1.まず、自費で健康診断を
これは、私の持論です。辞意を周囲に漏らすまえに、必ず受けてください。
どんなときも健康であることは大切ですし、もし会社員の時に病気が
判明すれば、健康保険から傷病手当金が出ますし、仕事が原因の
病気なら労働者災害補償保険から保険給付がもらえます。
もし、万が一病気なら、治るまで会社を辞めないほうが得策です。
そのためにも、健康診断の結果が判明するまでは、会社内の人に
絶対に辞めようと思うんだ!なんていっては駄目ですよ。
そのための自費健康診断の費用ですが、病院によります。
自費健康診断の場合保険使えません。(但し、その結果病気が
見つかれば保険は使えます、不思議な話ですが)
基本的な健康診断で10,000円〜20,000円
日帰り人間ドックで、30,000円〜50、000円
が一応の目安です。
2.会社を円満に辞めるために
次も同じ業界で働きたい場合もあるでしょうし、またなんで世話になるか
わからない、ということも考えて、礼は尽くしておきましょう。
給料が25万程度であれば、同じ職場の方へ
1人500円程度のハンカチでいいので、ひとりひとりに簡単な
メッセージをつけて差し上げておきましょう。
お菓子を皆さんで、というのは印象に残らないのでもったいない、
という考え方もあります。でもあまり人数が多いところなら、それしか
ないですよね。
この費用、差し上げるのは20人程度と考えて10,000円。
3.当座のお金はいくら必要?
☆まず最初の3ヶ月
会社を辞めても、自己都合なら3ヶ月は雇用保険の基本手当も
入ってきません。
その上、会社を月末まで働かずに退職した場合、退職月は健保と
厚生年金の被保険者とはなりませんから、退職月から国民年金の
第1号被保険者としての保険料(14,410円)と全額自費で払う
医療保険(国民健康保険又は健康保険に任意継続被保険者
としての費用)の保険料が必要になってきます。
医療保険の費用、任意継続被保険者になるとすると、ざっとですが
月々の保険料は19,680円。
併せて34,090円が毎月必要になってきます。
B子さんの場合、家賃が70,000円ということは水道光熱費等々で
住居費に85,000円はかかりそう。
生活費はどう切り詰めても60,000円。
34,090+85,000円+60,000円=179,090円
179,090円×3ヶ月=537,270円
会社にも寄りますが、地方税の代理徴収天引きをしてくれていた
会社なら、地方税を支払わなくてはならなくなります。
その他、不意の出費の予備費用に100,000円
上記健診費用等も入れるとざっと70万円弱が必要となってきます。
☆次の3ヶ月
基本手当を受給するようになっても、25万円の給与だった人の場合、
1回(28日間)の受給額は約14万円弱と考えられます。
とすると月々の生活費に4万円ほど足りません。
その雇用保険も、普通退職で10年未満の場合、受給できるのは
90日間。
この期間のマイナス分+予備費=200,000円
は必要です。
☆やっぱり100万は必要だ!
仕事がなかなか見つからない場合も考えて、27歳といえど
最低上記6ヶ月は持ちこたえられるような資金計画が必要です。
今までの貯金150万円は、もしもの時のために手をつけない、
とすると
後100万円程度貯めてからの会社退職が望ましいということになります。
●西尾の解説
実は、私も先の見通しもなく会社を辞めた経験があります。
27歳独身、健康で仕事への意欲があれば、選り好みを
しなければ早晩仕事は見つかるでしょうが、私の場合は
再就職の可能性があったわけではなく、
雇用保険の基本手当を受給しつつ、勉強し独立開業の道を
選びました。
私のような場合は、もっともっとシビアな資金計画が必要でした。
そこまでして、会社を辞めたいかどうか、じっくり自分と向き合ってみてほしい
というのが、私の心からのアドバイスです。
それと、会社を退職して収入がないので国民年金を払わないでほっておいた
という方がたまにおいでですが、収入がない場合は保険料免除制度を
利用しましょう。
免除申請をすれば、その期間も年金に反映されますし、万が一障害を
負った場合等、困らなくて済みます。
これは、是非、覚えておいていただきたいです。