会社を辞めた後の手続きは、当然ながら自分がやらない
と誰もやってはくれません。
医療保険、雇用保険、年金手続き等、全て自分で行うことになります。
●まずは、手続きの窓口の確認を!
手続きの場所ですが、
雇用保険はご自分の住んでいる地域のハローワーク。
政府管掌健康保険の任意継続被保険者の手続きはご自身がお住まいの
社会保険事務所、
国民健康保険と国民年金は、お住まいの区役所が諸届けの窓口になります。
区役所以外は余り利用しない窓口ですから、しっかりと確認しておきましょう。
●医療保険の手続きは?
加入期間の条件を満たすと会社で加入していた医療保険に継続して
加入できる制度があります。これを任意継続といいます。
政府管掌の健康保険の場合、会社を退職する前に継続して
2ヶ月間加入しておけば、退職後2年間は任意継続ができます。
ご家族で被扶養者であった方も、継続して被扶養者として加入すること
ができますので、ご家族の方の保険料の支払いは不要です。
手続きは、資格喪失後(退職日の翌日)から20日以内にお住まいを
管轄する社会保険事務所で「健康保険任意継続被保険者資格取得
申請書」と、被扶養者がいらっしゃる場合には、「健康保険被扶養者(異動)届」
(所得証明書添付)と一緒に提出します。
保険料は会社で高額な給与を受けていた方でも、給与28万円を上限として
保険料を計算します。
忘れてはいけないのは、保険料はこれまで会社と折半負担だったものが、
全額負担となる点です。つい、うっかり心積もりをしていて、あちゃーと思うときが
あります。(これは、私がそう思ったので)
市町村の国民健康保険には、被扶養者という制度はなく、家族全員が
被保険者として保険料の支払いが必要となります。
手続きは、区役所等で行います。
任意継続した場合の保険料と比較してどちらに加入するか決めましょう。
●雇用保険の手続きは?
退職後、会社で雇用保険に加入していた場合は、会社から「離職票」が送られ
てきます。
「離職票」の左側には、今までの賃金額が月ごとに記載され、基本手当
(失業手当)を受ける時の、日額(一日あたりの基本手当の額)の計算の基に
なります。
今回の離職では基本手当を受けることができない場合や、すぐ間を置かずに職に
就く場合も、離職票は大切に保管しておいてください。被保険者期間を通算
することで、受給資格が生じることもありますから。
離職票の右側には離職理由が記載されています。
会社は円満に退職するのが理想的ですが、なかなかそうはいかないケースもあり
ます。
退職勧奨、事業の倒産、整理解雇、普通解雇、期間満了のための退職等、
退職にいたる理由は様々あります。事業主の記載内容と違うと感じられたら、
離職理由に異議有に○をつけ、ハローワークの窓口で係員に退職到った経過を
話しましょう。特定受給資格者に該当し、給付制限がなく、給付日数が増える
場合もあります。
基本手当を受ける資格がある場合には、手元に離職票が届いたらなるべく早く
預金通帳や写真、身分を証明する免許証、印鑑(シャチハタ不可)等を用意
してお住まいの地域のハローワークに行きましょう。
●国民年金は?
基本は、お住まいの地域の区役所の国民年金課に行っていただくのですが、
社会保険事務所で任意継続被保険者の手続きをした場合は、
社会保険事務所で、併せて手続きをしてくれる場合もあります。
しかし、あなたに被扶養配偶者がおいでで、20歳以上60歳未満でいらした
場合、その方は国民年金第3号被保険者から、第1号に変わるので、区役所
等での手続きが必要になります。
そして、所得がなく、国民年金の支払いが難しい場合には、
免除申請等について、区役所等の国民年金の窓口で相談なさってください。
そのまま、未納の状態にしておくのは、あなたにとって不利益なことなのです。
●西尾の解説
会社を辞めるのは、開放感もありますが、その反面
不安な気持もあります。
その不安感を増幅させるのが、この手続き関係です。
今までは人任せで済んでいたことを全て自分でしなければ
ならない煩雑さ、
「面倒だな、会社辞めるの早まったかな?」
なんて、考えるのはちょっと待って。
私もそうだったので、よくわかるのですが、これは一種の会社依存症。
会社から自立するには、自分の手続き関係は自分でする!
そのほうが間違いもないし、納得できるし、自分で自分のことを
熟知できます。
これができれば、会社からの自立の第一歩。
会社を辞めるにせよ、辞めないにせよ、自分の手続き関係
面倒がらずに、覚えておきましょう。
健康保険・厚生年金の被保険者期間、保険料は月を単位として計算します。
月半ばで退職の場合は退職月の前月までが被保険者期間で保険料を払いこと
になり、給与の控除は1箇月分。
月末退職の場合は、翌日が喪失日になりますので、退職月までの保険料を払う
必要があります。
給与から2ヶ月分が控除されるのはそのためです。
退職月の保険料は日割り計算されません。
ただし、月半ばでの退職は退職月から国民年金に加入しなければ、
滞納月となりますので、ご注意くださいね。