ねんきん定期便が、そろそろお手元に届いているのでは?と思います。
今回の定期便から、厚生年金に加入されてからの「標準報酬月額」が
記載されるようになりました。
標準報酬月額とは、保険料の計算の基になる数字で、
大雑把に言ってしまえば、基本的な給与額に近い数字です。
ですから、初任給から現在までの標準報酬月額を見ると、
ああ、あの頃は安月給だったよね、この頃主任になったから
どーんと標準報酬月額があがってるな、とか思い出されて
自らの職業生活の歴史を垣間見るようだと、何事につけ大げさに語る
友人が申し述べておりました。
この、標準報酬月額、なんでも略せばいいというわけではありませんが、
舌を噛みそうな発音ですので、標月(ヒョウゲツ)と申しております。
今年の初任給水準は、
大卒 20万円
短大卒 17万円
高卒 16万円台
*東証一部上場企業220社平均
しかし、20〜30年前はもっと低かったです。
年金の計算は、毎月の標準報酬月額の平均値である平均標準報酬月額
を基に計算することになります。
当然、そのままの標準報酬月額の数値を平均してしまうと、貨幣価値も違う
時代ですので、正確な平均値とは言えません。
そこで、登場するのが再評価率。
再評価率は、年度年度で違いますが、問題は平成9年度以降です。
平成9年度以降は、再評価率が1を割り込んでいるのです。
つまり平成9年度以降の標準報酬月額を現在の貨幣価値に換算すると
当時の額を下回る、ということになります。
せっかく頑張って働いても、
たとえば10万円だった平成9年4月の標準報酬月額ですが、
「あなたが昭和17年以降生まれの人なら、再評価率をかけると
9万9千円になりますので、そこんとこよろしく!」
と言われて納得できますか?
●西尾はこう思います。
再評価率は、その当時の貨幣価値を現在価値に換算するもの、
というだけではなく、
「払った金額を最低限保証するもの。」でなくては
将来のために安心して保険料を支払う気持ちにはなれないのでは
ないでしょうか?
60歳を迎える方から、ご相談を受けました。
現在、企業では、63歳までの雇用継続を求められていますが、
ご相談者のAさんも、60歳以降も働くことになりました。
60歳以降は、リタイアして趣味のガーデニングにおもいっきり
のめりこみたい!とAさんは思っていたそうですが、
事業主から、働いてほしいといわれ、
また、まだまだ元気なのに年金しか収入がなくなることにも
土壇場になってちょっと不安をお持ちになったそうです。
そこで、質問がありました。
年金を受給しながら、60歳以降も厚生年金の被保険者として
働いた場合、60歳以降の厚生年金被保険者期間は、どのように
年金額に反映されるの?
というのが質問です。
通常、65歳前の老齢厚生年金受給の場合、年金額が変わるのは、
当初報酬比例部分だけだった年金額に、定額部分の年金額が
加わる時と、65歳に達した時です。
それに、60歳以降も働く方の場合は、退職した時も、年金額が変わります。
これが、退職時改定です。
60歳以降も働いている方が、63歳で退職した場合、60歳以降の3年間が
新たに被保険者期間となり、年金額に反映されます。