私の事務所のある占出山町界隈は、ただいま祇園祭一色です。
鉾や山のお囃子も気合いが入ってきておりますし、
屋台も、もう沢山出ています。
近隣のお勧めは、前田のベビーカステラ。おいしいですよ!
そうそう、占出山さんの銘菓「吉兆あゆ」もとても美味しいです。
今回は、会社退職後の生活を支える雇用保険の
基本手当の日額が引き下げられる、というお話です。
●まずは、賃金日額とは
雇用保険の基本手当日額の算定基礎となるのが、賃金日額です。
賃金日額は、大雑把に言ってしまいますと、働いていた期間の、
最後の6か月に受け取っていた賃金(ボーナス含まず)の1日当たりの
平均賃金額です。
しかし、この賃金日額×給付日数をそのまま受け取れるわけでは
ありません。
この賃金日額に給付率(80〜50%)を掛けた数字が基本手当日額となります。
この給付率ですが、賃金が低いほど、高く計算されます。
しかし、それだけではありません。
●賃金日額は自動変更されます。
しかし、この賃金日額には、年齢階層別に、上限と下限が決められており、
この上限、下限は、「毎月勤労統計」の平均給与額の上昇または低下した
比率に応じて自動変更されます。
つまり雇用保険の基本手当も、世の中の会社員の給与と連動している
というわけです。
●今年の8月1日から
2008年度の平均給与額が、2007年度の平均給与額と比較して0.6%低下
したことを受けて
1.雇用保険の基本手当日額の最低額及び最高額
2.失業期間中に自己の労働による収入がある場合の基本手当の減額の
算定に係る控除額
3.高年齢雇用継続給付を支給する限度額
以上が、8月1日から引き下げられます。
●具体的な数字をあげると
基本手当日額の最高額は、離職日の年齢により
60歳以上65歳未満 6,700円(41円減)
45歳以上60歳未満 7,785円(45円減)
30歳以上45歳未満 6,990円(40円減)
30歳未満 6,290円(40円減)
これは、あくまで最高額ですので、
賃金日額が6,000円の60歳未満の方の場合、
基本手当の日額は4,338円、
賃金日額が9,000円の場合は、5447円となります。
●西尾はこう思います。
これで、3年連続基本手当は減額となります。
5年前の基本手当日額は
60歳以上で 6,916円(今より216円高い)
45歳以上60歳未満で250円高
30歳以上45歳未満で225円高
30歳未満で205円高
失業中の1日200円の差は、大きいです。
基本手当の自動変更は雇用保険法で規定され、規定どおりに
実施されているのだと思います。
しかし、雇用保険は、毎月保険料を納付していた被保険者の
離職後のセーフティネットとしての側面もあります。
この自動変更、雇用保険の各種助成金の充実も必要でしょうが、
給付の充実をもう一度考えてもよいのでは、と感じています。