もう、いくつ寝るとお正月、という時期になってまいりました。
お届けしているメルマガも、今年は最後の号になります。
で、今年1年を振り返ってみようと思います。
==========================================================
●雇用環境が一段と厳しくなりました
一昨年暮のリーマンショックの影響により派遣切り、雇い止めが相次ぎ、
その上、春の新型インフルエンザの影響による旅行のキャンセル等で
旅行業界も大きな打撃を受け、宿泊施設は休館し、
働く方々も休業を余儀なくされ、雇用状況は悪化の一途をたどりました。
国も緊急雇用対策として、急遽、各種助成金制度を策定し、
何とか雇用の確保に努めたのですが、現在でも雇用環境の厳しさは
変わりません。
ハローワークの前は、午前8時30分の開庁を待つ人の列が出来ています。
求人検索をするパソコンの順番取りのためです。
また、助成金申請窓口では申請をされる企業の担当者で、
行列が出来ていました。
倒産による未払い賃金立替制度利用も、08年度下半期は同上半期の37%
増加し、167億円に達したことが今年5月に発表になっています。
今年はさらに増加することは必至ではないでしょうか。
●雇用環境の悪化に対する対策は?
失業等のセーフティーネットの役目を果たすため、雇用保険は加入要件を
下げ、また、離職を余儀なくされた方に基本手当(所謂失業手当)を
厚くするために、期限付き「特定理由資格者」制度を作り、
新たな働き場所が見つかるまでの収入を確保するための方策を作りました。
新聞記事によると労働政策委員会はさらに雇用保険法の改正を審議し、
週20時間以上働く、非正規労働者の方が雇用保険に加入しやすくするため、
現在加入要件の一つである、雇用見込み期間を現在の6箇月以上から
31日以上に短縮する案を示しました。
しかし、委員会では、現在の雇用保険料率を現行の0.8%
(これを折半しますから、働く方からの徴収は0.4%)から
1.2%に引き上げることも提案されています。
今年から健康保険料率も都道府県毎に決定されることになり、
京都の場合は僅少しましたが、来年はどうなるでしょうか。
●来年はどうなる?
来年4月から「労働基準法」が改正され、月60時間を超える
時間外労働に対して、新たな割増率が適用されることになります。
とはいえ、不況の影響で、残業時間はどの企業でも減少傾向に
あります。
すぐには、この改正が、賃金アップに繋がるとは思えません。
却って、深夜以外の時間外労働についての規制のない、管理職、
裁量労働制で働く労働者に、しわ寄せがいくのではないでしょうか?
せめて、来年は一つでも明るい話題があるように祈りたいものです。