月日の経つのは早いもので、平成22年も、もう半年が経過しました。
夏至も過ぎて、これからは、日一日と昼間の時間が短くなって
いくのですね。ちょっと寂しいです。
いや、いや、気を取り直して、今回は健保の傷病手当金のお話です。
==========================================================
では、104条にはどのように書かれてあるか?
「被保険者の資格を喪失した日(退職日の翌日)の前日(退職日)まで
引き続き一年以上被保険者であった者であってその資格を喪失した際に
傷病手当金の支給をうけている者は、被保険者として受けることができるはず
であった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる」
とあります。
退職日に傷病手当金をうけることが出来る状態(欠勤若しくは年休で処理する)
で退職しないと、その後の継続給付は行われないということです。
これは昭和31年2月29日保文発第1590号の「退職時疾病にかかっていても、
会社に出勤して労務に服していれば、資格喪失後の傷病手当金の受給は
できない。」という通達があるからです。
また、資格喪失後継続して傷病手当金の支給を受けている時に、
一端働いて傷病手当金が不支給になった場合は、
それ以降の支給はありません。
これも、昭和26年5月1日保文発第1346号に
「資格喪失後継続して傷病手当金の支給を受けている者については、
保険診療を受けていても、一旦稼動して傷病手当金が不支給になった
場合は、完全治癒であると否とを問わず、その後労務不能となっても
傷病手当金の支給は復活されない」という通達があるからです。
さらに昭和31年12月24日保文発第11283号の通達では、
「昭和28年11月1日に資格を喪失した被保険者について、
同年6月30日から10月31日まで結核による傷病手当金が支給されていた。
継続給付を満たした者であったので、喪失の日の11月1日から
翌29年12月29日までの傷病手当金を昭和31年10月16日に請求してきた。
しかし、昭和28年11月1日から翌29年10月15日までの分は
時効により支給出来ない。
このような場合は、法第104条の「継続して」に該当しないので
時効未完成の期間についても継続給付は受けられない。」
とあります。
●西尾の解説
とにかく、退職日に傷病手当金を受けることができる状態
で退職することがポイントです。
通達自体が大変古いものですが、条文にさりげなく書かれてある
「資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている」
「継続して」の文字が退職後も引き続き傷病手当金を受けることが出来るか否か
重要なポイントです。
協会けんぽ京都支部作成の「よくわかる健康保険」のリーフレットには、
Q&Aに退職後の支給要件に「退職日も労務不能であること」と書いてあります。
でも、この一行だけ。見落としてしまいそうです。
==========================================================
政府の「新年金制度に関する検討会」は、
最低保障年金制度導入、国民年金、厚生年金、
共済年金制度の一元化
など7項目から成る新制度の基本原則をまとめました。
一元化は、所得に応じて年金受給額が決まる所得比例年金と、
消費税を財源とする最低保障年金を組み合わせる仕組みだそうです。
民主党のマニフェストでは保障年金月額は7万円と謳っていますが、
今回の基本原則には具体的な月額の明示はありませんでした。
又、政府は2013年中に新制度の関連法案成立を目指している
とのことです。