お盆休みの最中ですが、立秋も過ぎたというのに
お暑いですね。
でも、暑ければ、お米の出来もよく、
そして秋の果物や蜜柑もきっと甘いことでしょう。
それを、信じて、忍の一字、頑張りましょう。
今回は、60歳を超えて再雇用された場合の、
標準報酬月額に関する改正点です。
==========================================================
まず、基本です。
健康保険と厚生年金保険の被保険者資格を喪失するのは、
事業主との間に事実上の使用関係が消滅したと認められる場合です。
☆今までの取扱い
1.退職後継続雇用された場合の原則
同一の事業所においては、雇用契約上いったん退職した者が、
一日の空白もなく引き続き再雇用された場合は、退職金の支払いの有無、
または身分関係もしくは職務内容の変更の有無にかかわらず、その者の
使用関係は中断することなく存続しているものであるから、被保険者の
資格も継続するものである。
と、ありますように、原則、いったん退職しても引き続き継続雇用されれば
資格は継続します。
でも、何事にも例外はあります。
2.退職後雇用でも、資格が継続しない場合は?
ただし、特別支給の老齢厚生年金の受給権者である被保険者であって、
定年による退職後継続して再雇用されるものについては、
使用関係がいったん中断したものとみなし、事業主から
被保険者資格喪失届及び同資格取得届を提出させる取り扱いで
差し支えないこと。
この場合には、被保険者資格取得届に、定年による退職であることを
明らかにできる書類を添付すること
とされていました。
この違いは、何をもたらすでしょうか?
●保険料の支払いは?
1.の場合、継続して再雇用され、給与が著しく下がった状態でも、
資格喪失をするわけではないので、従来通り、下がった月の4か月目の
随時改定が行われるまでは、従前の高い水準の標準報酬月額による
保険料を会社も本人さんも負担しなくてはなりませんでした。
2.の場合、64歳までの方で、特別支給の老齢厚生年金を受ける
権利のある方については、定年により継続再雇用された場合に限り
使用関係がいったん中断されたものとみなし、喪失・取得届、
定年による退職であることが明らかとなる就業規則の写し等を提出
することにより、再雇用後の給与に応じた保険料を徴収されていました。
☆今の状況
「高年齢者の雇用の安定等に関する法律」により、
定年年齢の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止、いずれかの
制度導入が求められていること、
また、実際、定年制のない会社も存在する現状で、
定年退職に限り、上記の取り扱いを認めているのは不公平である
という意見がありました。
☆今年の9月1日からこう変わります!
特別支給の老齢厚生年金を受けることができる方で、
退職理由を問わず退職後再雇用されるすべてのケースで、
資格喪失届・取得届と、新たな雇用契約を結んだことが明らかにできる
書類(事業主の証明等)添付して提出することにより、
再雇用された月から、新たな給与に応じた保険料の徴収がされ、
負担が軽減されることになりますし、給与と在職老齢厚生年金の調整で、
年金額が増加します。
ただし、注意が必要なのは、健康保険の傷病手当金を受給なさって
いる方です。
この場合、低くなった標準報酬月額により傷病手当金の給付額が
計算されることになるのです。