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働くあなたの公的年金&保険
知っ得情報 NO.431 2025.03.15.
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★保険&年金基礎知識~男女間賃金格差について~
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春の寒暖差と花粉の飛散がつらい季節となりました。
今回は、男女間賃金格差のお話です。
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★保険&年金基礎知識~男女間賃金格差について~
令和4年度の「厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、
老齢の厚生年金の平均受給額は、併給する老齢基礎年金額を含め
男性が16万9560円、女性が10万9728円となっています。
なぜ、このような差が出てくるのでしょうか?今回は、そこを考えてみましょう。
●標準報酬月額について
厚生年金保険から支給される年金額は、大雑把に云うと厚生年金に加入していた期間の
標準報酬月額の平均×厚生年金に加入していた被保険者期間の月数で決まります。
標準報酬月額とは、社会保険料の算定基準となる報酬額で、社会保険料の計算の
基礎となる数値のことです。
原則として、4~6月の3カ月間の給与の平均値で、その数値を一定の範囲で区切って
等級ごとにあららわしたものが標準報酬月額です。
この標準報酬月額に、厚生年金保険および健康保険の保険料率を乗じたものが
それぞれ厚生年金保険料、健康保険料となり、事業主と被保険者がそれぞれ折半で
負担します。
もうお分かりと思いますが、標準報酬月額が高いほうが、そして被保険者期間も長いほうが、
将来の老齢の年金額は高くなります。
ここで、また、令和4年度の「厚生年金保険・国民年金事業年報」なのですが、それによりますと、
標準報酬月額の平均は、男性が36万3千円、女性が25万4千円となっています。
単純比較で、男女で10万円の格差があります。
それだけ、差が開けば、将来の年金額にも大きく影響するのではと思います。
しかし、なぜ、これだけ、男女間で標準報酬月額に開きが出るのでしょうか?
●労働基準法と男女雇用機会均等法について
労働基準法第4条には、使用者は労働者が女性であることを理由として、
賃金について男性と差別的取り扱いをしてはならないと定めています。
これは、性別が理由でなければ、男女同一賃金でなくともよい場合がある、
という抜け道があります。
そこで、昭和47年に施行された男女雇用機会均等法の、
第6条に、労働者の性別を理由として、配置、昇進、降格、住宅資金の貸付、
労働者の職種及び雇用形態の変更、退職の勧奨、定年及び労働契約の更新
について差別的取り扱いをしてはならない、と規定しました。
男女雇用機会均等法以前は、男性と女性では定年年齢が違う会社は沢山ありました。
また、初任給も男女別、女性はどうせ嫁にいくのだから住宅資金の貸付な不要、
結婚が決まれば辞めたらとう?と言われるケースも多かったです。
また、結婚しないまでも勤続年数が長いと、女の子は若いほうがいいななどと
言われ、職場に居づらくなるケースもありました。
そんなこんなで、男女雇用機会均等法の前は、女性の勤続年数も短く、
給与額も高くなかったのです。
そこに、現在老齢の厚生年金を受給している女性の年金額が低いことの
一因があります。
他にも女性の年金額が低いlことの要因があるのですが、それは次に述べますね。
●短時間労働者について
令和4年10月から、101人以上の企業に短時間労働者が社会保険の被保険者となる
要件が拡大されることになり、令和4年度末の短時間労働被保険者は、82万人で、
そのうち、女性は62万人となっています。
※令和6年10月からは51名以上の企業からとなっています。
つまり短時間被保険者は、その総数の約76%が女性であるということになります。
短時間労働補保険者は、働く時間が他の労働者と比較して短いため、
標準報酬月額も他の労働者と比較して低い水準となる傾向があります。
●子育ても大きな要因
現在の老齢厚生年金受給者のうち、女性の被保険者期間で一番多いのが、
1年以上2年未満でした。
これは、男女雇用機会均等法以前の女性が新卒で入社し1~2年で退職しその後
花嫁修業して結婚、専業主婦にというケースもあったからかもしれません。
しかし、均等法後も、女性が結婚し、その後も働き続けても、出産その後の育児の
過程で、退職を選択する場合も多いです。
子育て後も、家庭と仕事のバランスを考え、パートタイマーとして厚生年金に加入しない
働き方をする場合もあります。
産前産後期間、育児休業期間は社会保険料免除で被保険者期間を継続させられるが、
その後の育児をしながら厚生年金の被保険者として働き続けるためには、配偶者や
社会全体のサポートが不可欠です。
それがなければ、女性の年金受給額はいつまでたっても男性には追いつかないのでは
ないでしょうか?
●西尾はこう思います
子育てや介護は女性がするものという意識を、まずは男性は勿論、
女性も捨てることが大事ではないかと思います。
今、東京や大都市圏に労働力が集中していますが、特に女性にその傾向が
大きいといいます。
生まれ育った地方では、働く場も少ないし、女性は「生きづらい」のです。
まだ結婚しないの?女は結婚して一人前だよ!などどいわれ続ければ
そこで暮らそうとは誰も思いません。
そんな地方から少子化が加速しているように思います。
女性が生きやすい社会を目指すことが、男女の賃金格差をなくし、
少子化問題解決への糸口となると思います。
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~~~~~~~~~編集後記~~~~~~~~~
京都中心部は、今、日本人観光客離れが進んでいるそうです。
そして、京都を訪れる日本人観光客はどこを目指しているかというと
周辺部の伏見区や左京区、北区などだそうです。
伏見区も外国人観光客の多い伏見稲荷大社以外ですね。
そんな伏見区で、お勧めなのが大手筋商店街界隈。
なかでもお気に入りが、京阪伏見桃山駅そばの
近畿労働金庫(ろうきん)伏見支店の大型からくり時計
「おやかまっさん」です。
毎日、13時から19時の00分に、宇治川と酒蔵の町をイメージした
パネルの扉が開きます。
そうしますと、伏見の銘酒の酒樽がずらっと並んでいます。
酒樽のひとつひとつがくるりと回るようになっていて、
中から現れますのが、伏見のシンボルのお人形さんたちです。
茶人千利休、伏見人形饅頭喰い、牛若丸、森の石松、豊臣秀吉、
伏見城、千姫、花傘道中、坂本龍馬、新選組、酒造りです。
牛若丸は、幼いころ母と伏見街道から奈良へ逃げたことがあるそうです。
森の石松は、伏見から三十石舟で大阪へ下ったという講談が
あるとか。
春の一日、伏見桃山で御香宮神社の椿の銘木と名水、
そして、おやかまっさんを楽しみにいらっしゃいませんか。
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社会保険労務士法人西尾事務所
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西尾雅枝
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